CASE 7

腕が肩を支えられていなかった巻き肩のケース

胸だけでは説明できない巻き肩

巻き肩というと、
「胸の筋肉が硬いから肩が内側に入る」 と説明されることがほとんどです。

・大胸筋や小胸筋の短縮
・ 猫背姿勢
・デスクワークによる前かがみ

確かにそれも一因です。

ですが実際の施術現場では、
胸を緩めても戻ってしまう巻き肩の方が少なくありません。

その方々に共通していたのが、
“腕が肩を支えられていない状態” でした。

巻き肩は「結果」であることが多い

肩は常に腕の重さを受け止めています。

腕は想像以上に重く、 片側で体重の6〜7%ほどあると言われています。
その腕を適切な位置で保つためには、

・上腕三頭筋の支持力
・上腕二頭筋とのバランス
・肩甲上腕関節の安定
・前腕から手にかけての連動

が必要になります。

これらがうまく働かなくなると、
腕は前方へ“落ちる”ような位置を取ります。

すると上腕骨は内旋し、 肩甲骨は前方へ引き出され、
結果として「巻き肩」という形になります。

つまり、
巻き肩は胸が原因というより、
腕の支持機能低下の“結果”であるケースがあるのです。

腕のたるみは「見た目」だけの問題ではない

二の腕のたるみを気にされる方は多いですが、
それは単なる脂肪の問題だけではありません。

実際には、

・上腕三頭筋の機能低下
・血流の滞り
・肘関節の伸展不全
・上腕骨の前方偏位
・腋窩周囲の循環低下

といった機能的な要素が関係していることがあります。

腕が本来の張力を保てなくなると、 肩は内側へ巻くことで安定を取ろうとします。
その状態が続けば、
・慢性的な肩こり
・首の緊張
・呼吸の浅さ
へとつながっていきます。
肩こりについては、
詳しくは「肩こりのページ」でも解説していますが、 原因は肩そのものだけにあるとは限りません。

腕の“たるみ”は、 身体からのサインとも言えるのです。

胸を緩めても改善しない理由

大胸筋や小胸筋を緩めることで 一時的に肩が開くことはあります。

しかし腕が支えられていない状態のままでは、
身体は再び安定を求めて肩を内側に戻します。

これは「戻ってしまう」のではなく、
身体がバランスを取ろうとしている自然な反応です。

原因が腕側にある場合、 胸だけを整えても根本改善にはなりません。

モデルケース

30代女性。
デスクワーク中心のお仕事。
主訴は慢性的な肩こりと巻き肩。
「胸が硬いと言われてストレッチをしているけれど戻ってしまう」とのことでした。

初回来院時の状態

姿勢を確認すると、肩は内側に入っています。

同時に目立っていたのは、

・二の腕の張りのなさ
・肘がわずかに曲がったままの立位
・腕の重だるさの自覚
・上腕骨の前方偏位

胸筋の緊張はありましたが、 主因は腕側の支持機能低下と判断しました。

施術後の変化と考察

上腕三頭筋の支持機能と
肩甲上腕関節の安定性を中心に調整。

肘の伸展を再獲得し、
腋窩周囲の循環を促すと、
肩を意識して開いていないにも関わらず、
自然に肩の位置が後方へ。

「無理に胸を張っていないのに軽い」
という変化が見られました。

このケースでは、 巻き肩は胸の硬さではなく、
腕の支持低下が主因となっていました。

巻き肩を“開く”のではなく、支えられる身体へ

巻き肩は単なる姿勢の問題ではありません。

胸の硬さだけでなく、
腕の支持機能や血流、
関節のアライメントまで関係していることがあります。

そのため、
「ストレッチをしても戻ってしまう」
「マッサージを受けてもすぐ再発する」
という状態が起こります。

大切なのは、
肩を無理に開くことではなく、
腕が本来の位置で支えられる状態を取り戻すこと。
横浜で巻き肩や肩こりにお悩みの方へ。

Sialaboでは、首肩だけでなく、腕・呼吸・全身の連動まで含めて確認し、
その方の身体が自然に整う状態を目指しています。
詳しくは「Sialaboの整体について」でも施術方針をご紹介しています。

巻き肩を“矯正する”のではなく、 巻く必要のない身体へ。
今のケアで変化を感じられていない場合は、 視点を変えることが改善のきっかけになるかもしれません。
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